湯水のごとき廉価な労働力の流入がぴたりとやんだ。沿海部の企業は我も我もと西部へ拠点をシフト。
2008年2月号 BUSINESS
中国内陸部にある陝西省の省都、西安では、日本語弁論大会が年に1回開かれる。2007年は10月20日に西北大学の大講堂で行われ、西北大学の学生のほか、西安外国語大学、翻訳学院などから500人前後が集まった。最前列に座った日本航空、アサヒビール、ブラザー工業など後援企業の責任者たちから感嘆の声が漏れた。日本人教師の数の少ない西安で、よくぞここまでしゃべれるようになった――と。現在、西安で日本語専攻の大学生はおよそ3千人。「卒業後は3分の1が現地就職、3分の1が東の沿海部に出て、残りの3分の1は(陝西省以外の)故郷に戻っている」と西北大学の張先生は言う。一学年に約700~800人の日本語科の学生が在籍するが、卒業後に西安で就職できるのは300人もいない。日本語のできる人材はむしろ過剰というのが現状だ。しかし沿海部が労働力不足に陥ってきたほか、政府が推進する西部(内陸部)開 ………
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