あのグッドウィルが保有の高級老人ホーム売却に暗雲

2008年3月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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人材派遣業大手のグッドウィル・グループ(GWG)で、すでに撤退が決まっている介護事業をめぐり、またぞろ、きな臭い話が浮上している。

昨年、傘下のコムスンによる不正が表面化したことを受け、GWGは介護事業からの撤退を表明し、コムスン運営の介護施設について、同業他社への売却・譲渡を進めてきた。

ところが、入居一時金が3億円ともいわれる住宅型高級有料老人ホーム「バーリントンハウス」などが、昨年譲渡先に決まった不動産コンサルティング会社「ゼクス」(東証1部)に、いつまでたっても引き渡されない奇妙な状況が続いている。

当初、GWGは昨年末に物件をゼクス側に引き渡すことで合意していたが、これを今年1月末に変更することを発表。1月末になると、「さらに1カ月程度延期する」と再延長。その理由について、両社とも「事務手続きの遅れによるもの」と釈明するが、それ以上の詳しい事情は分からない。

本業の人材派遣業も二重派遣問題が原因で事業停止に追い込まれ、資金繰りが悪化しつつあるGWG側と、50億円以上の巨額を投じた静岡市内の温泉リゾート事業の経営が思うようにいかないゼクス側の間で「合意済みの譲渡金額(約213億円)をめぐり、揉め事が起きているのではないか」(業界関係者)との憶測を呼んでいる。契約どおり引き渡せるか、予断を許さない。

   

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