胡錦涛訪日の「危ない橋」

突然の中国の強硬姿勢の裏に、習近平をめぐる権力抗争。江沢民派の手前、断じて謝罪できない窮地に。

2008年4月号 COVER STORY [日中ギョーザ危機]

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中国の胡錦涛・国家主席は4月20日前後に日本を4日間訪問する予定で日程を調整中だが、「冷凍ギョーザ」に殺虫剤が混入した事件の突発で日中関係が緊張、訪日が5月に延期される可能性も出ている。中国国家元首の訪日は1998年の江沢民・前主席以来10年ぶりで、胡主席は東京大学で講演するほか、奈良を訪れる予定だが、最重要の課題は日中間でコミュニケの調印にこぎつけ、台湾問題や日中両国関係の位置づけなどを盛り込むことだった。ところが、1月に明るみに出た殺虫剤混入ギョーザ問題は、再び日中の相互不信を招きかねないほど深刻化している。今回、コミュニケの調印に成功すれば、国交正常化を宣言した72年の日中共同声明、78年の日中平和友好条約、そして98年の江沢民訪日で発表された日中共同宣言に続く4回目となる。98年宣言は両国首脳とも土壇場になるまで調印しようとしないほど難航したが、よ ………

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