梁瀬 次郎氏(ヤナセ名誉会長)

「殿堂入り」のカリスマ

2008年5月号 連載 [ひとつの人生]

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巨星墜つ。梁瀬次郎氏の逝去は、一つの時代の幕引きを象徴する出来事だった。この半世紀、激変に次ぐ激変を重ねてきた輸入車販売業界の、ほとんどすべての局面に立ち会ってきたからだ。1945年、父であり創業者でもあった長太郎氏から梁瀬自動車(現・ヤナセ)の経営を引き継いでからほぼ半世紀にわたり、日本の輸入車販売の顔であり続けた。まず戦前からのゼネラル・モーターズとの縁を復活させ、その後、メルセデス・ベンツとフォルクスワーゲンの輸入代理権を獲得、「外車」の世界に確固たる地歩を築いた。そんなヤナセは、高度成長とともに大きく業績を伸ばしたが、やがて80年代を迎えると、輸入車販売業界にも大きな荒波が押し寄せる。海外メーカーがこぞって日本に現地法人を設立し、直轄統治に乗り出したのだ。その流れでヤナセもメルセデスにインポーター業務を返還し、長年続いたフォルクスワー ………

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