2008年5月号 連載 [policyの極意 第1回]
政策の現場は、小泉政権の前なら各省の審議会を見ていればよかった。政治学者が喝破したように、日本は「議院内閣制」でなく「官僚内閣制」だからである。本来は「議院内閣制」であって、主権者たる国民が選んだ国会議員が内閣総理大臣を選出し、総理が決めた大臣で構成される「内閣」を中心に、並立して「国会」があり、「官僚」は「内閣」の下にくるはずだ。しかし、現実には「官僚」が中心で、その下に「内閣」と「国会」がそれぞれぶら下がり、官僚が内閣と国会をコントロールしている。だから、官僚の意図がわかる各省審議会をフォローしていれば、どのような政策になるのかがわかった。これに対応して、マスコミは各省に駐在する記者クラブ制をとり、各省官僚から情報を得ていた。これが小泉政権になって「内閣」の力が強くなった。小泉純一郎総理は竹中平蔵を経済財政担当相に抜擢し、竹中は小泉 ………
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