2008年5月号 連載 [「軍略」探照灯 第25回]
石破茂防衛相を「兵器マニア」のように言う人は少なくないが、それは誤りだ。彼は防衛関係の法令や条約、歴史など、軍事問題全体に詳しく、装備の知識はその一部にすぎない。国際情勢についても各国の行動がイデオロギーではなく利害に基づくことを承知し、中国が2005年3月に制定した「反国家分裂法」についても「本質は現状維持法ですな」と、中国が台湾の公然たる独立だけは防ぎたい状況にあることを見抜いていた。北朝鮮が06年7月、一日に7発の弾道ミサイル実験を行った後、核ミサイル対策について話していると「実はシェルター(防空壕)が最も有効な対策ではないか、と考えているんですが」と言う。私も全く同じことを考えていたから少々驚いた。2人で「広島の爆心地で、偶然地下室に入っていた人が無事だった例もある」「だが退避訓練が必要で、いつまでもやるのはくたびれる」などと話し、「有効 ………
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