あのグッドウィルの折口氏が米国へ「グッドバイ」

2008年6月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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介護サービスから「場外追放」されたグッドウィル・グループ(GWG)の創業者、折口雅博・前会長が、苦境のグループを尻目に米国へ「高飛び」する。折口氏は米国永住権(グリーンカード)を家族とともに取得し、夏前にもニューヨークに移住。かの地には自身が出資しているレストランがあり、慶応高校に通う子どもの転入も、すでに手続きを終えたようだ。

GWGは主取引銀行だったみずほ銀行に匙を投げられ、その債権は昨年末、米再建ファンドのサーベラスと米大手証券のモルガン・スタンレーに譲渡された。その時点で折口氏は経営責任を取ってグループ関連の相談役に退き、ほとんど影響力を失ったとされる。

本人は米国行きを「新たなビジネスチャンスのきっかけにしたい」と語っているようだが、果たしてホンネかどうか。コンプライアンス違反など社会的責任は大きいものの、グループ内に「折口待望論」があることを、よく承知しているからだ。

もちろん厚生労働省は人材派遣と介護ビジネスのイメージをひどく傷つけた「折口」の名前を消したがっており、早期の復帰はあり得ない。それゆえ折口氏もほとぼりが冷めるまで、海外で様子を見ることにしたわけだ。

ところが、GWGはサーベラスとモルスタの主導で再建を目指すと思われていた矢先、ユナイテッド・テクノロジー・ホールディングスが筆頭株主に躍り出て、再建は一筋縄ではいかなくなった。3年後の復帰をメドにしていたという折口氏の目論見は、渡米前から狂い始めている。

   

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