残酷で温かい西原理恵子

2008年7月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第27回]

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勤めている大学院で「トップセミナー」という講座名の授業を週1回持っている。有名な人を招いて話を聞く。下げたことのない頭を下げて、拝み倒して来てもらう。もう3年近くになるが、もっとも強烈な印象を残したゲストが漫画家西原理恵子であった。だまって座っていれば良家の若奥様といった風情の美女である。本人に直接会ったのはこのときが初めてだ。共同でこの講座を担当している毎日新聞の人が「毎日かあさん」という連載をやっているので、その漫画家なら呼べるかも、とアイデアを出した。10年ほど前だったか、西原理恵子の『ぼくんち』という漫画本を10冊ほど購入し、財界人らの会合で配ったことのある私は、まっさきに賛成した。漫画を手にすることはほとんどないが、例外が西原理恵子のものだった。静かな口調でここに至るまでの人生を語りだした。しだいに調子が出てきたな、と思ったとたん、 ………

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