2008年7月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
二酸化炭素など地球温暖化ガスの排出量取引の導入問題は福田首相が発表した「福田ビジョン」によって日本でも実施されることが決まったが、これに強硬に反対し続けた三村明夫新日本製鉄会長の失ったものは大きかった。 鉄鋼業界は「途上国への生産移転が進み温暖化対策が逆行する恐れがある」と、表向きは反対の姿勢を崩していないが、首相官邸に対して「政府の決定に従う」と兜を脱いでいる。三村氏は次の日本経団連会長の本命に挙げられていたが、昨年秋に排出量取引が議論されて以降、異を唱え、その導入を前提にした地球温暖化に関する有識者会議の座長を務める奥田碩・前経団連会長や、同会議を支持する御手洗冨士夫経団連会長の姿勢をさんざん批判してきた。その激しさから経団連の中では「完全に浮いてしまい、ついてくる財界人はいなくなってしまった」(経団連幹部)。「周りの空気を読まず、 ………
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