2008年7月号 連載 [メディアの急所]
広告収入も部数も減り続ける逆風下にも拘わらず、全国紙では社屋の建て替えブームが続いている。日経は2009年3月、東京・大手町の東京本社を近隣の国有地(等価交換で取得)に移転する。新社屋は高さ155メートル、31階建て。朝日は2014年3月までに大阪・中之島の大阪本社を現在の中低層ビル3棟から高さ200㍍、41階と39階建ての超高層ビル2棟に建て替える。大阪の都心で最大級のツインビルという。建設費で数百億円の巨大プロジェクト。減益が続く中、経営を圧迫するのは間違いない。朝日は好立地を生かして、新社屋2棟のうち1棟を丸ごとテナントビルとして、家賃をがっぽり稼ぐ皮算用だ。しかし、近辺では東京に数年遅れて超高層ビルラッシュが続いており、大阪駅北側のJR貨物(梅田北ヤード)跡地もビジネス街として生まれ変わる。このため、朝日社内には「目ぼしい大阪企業が本社機能を東京に移し、実 ………
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