「すかいらーく」「レックス」に手を焼く投資ファンドの誤算

2008年7月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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06年に経営陣による買収(MBO)で株式を非公開化した「すかいらーく」と「レックス・ホールディングス」の再建が難航している。少子化や消費不振で外食、小売業界が構造的な不況に陥る中、同じ外食大手の日本マクドナルドが店長への残業代支給を決定。今後「『名ばかり管理職』の雇用も重荷」(アナリスト)となり、すかいらーく株式の再上場は最短でも11年以降にずれ込む見通しとなった。

すかいらーくは、不振の中華レストラン「バーミヤン」から低価格ファミリーレストラン「ガスト」への業態転換を急ぐが、07年度は130億円の最終赤字を計上。レックスは高級スーパーの「成城石井」は好調だが、コンビニ「エーエム・ピーエム・ジャパン」(am/pm)が足を引っ張っている。不採算店舗の閉鎖が響き、am/pmの債務超過額は07年度末に122億円に膨らんだ。すかいらーくは野村プリンシパル・ファイナンス、レックスはアドバンテッジパートナーズの資金でMBOをかけており、両社とも実質的に投資ファンドの傘下にある。

野村グループは足利銀行、アドバンテッジは東京スター銀行を高値で買収し、国内M&A市場では両ファンドの積極姿勢が際立っている。しかし、既存案件の業績低迷が露呈し、「今後の資金回収が見物」(投資銀行)と帳尻合わせに苦戦しそうだ。

   

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