ムグニエ暗殺~神の党ヒズボラのテロリスト<下>

シリア潜行、3人の「刺客」

2008年7月号 GLOBAL [集中連載]

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レバノンのシーア派政治組織、ヒズボラ(神の党)の軍事部門を率いる「テロの首魁」イマード・ムグニエを仕留めろ――。今年2月3日日曜午後。モサドのメイール・ダガン長官は、長官室に隣接する部屋で会議を開いた。テーブルに並ぶ水差しとコーヒーポット。会議の顔ぶれは、防諜機関シンベットの長官、国家安全保障の政府顧問、首相エフード・オルメルトの政治顧問、イスラエル国防軍(IDF)軍事法務官……イスラエルが合法と判断した暗殺を実行するモサドの暗殺部隊「キドン」の准将の顔も見えた。ダガン長官の傍らには作戦指揮官が座ったが、筆記席は空席、つまり会議の記録は残さないことになっていた。ダガンが長官に就任して6年、こうした会議が何度も開かれた。就任4カ月の2002年12月の初会議では、ヒズボラに寝返ったモサドの元情報提供者ラムジ・ナハラの名が俎上に載った。ナハラはダガン長官の知 ………

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