2008年7月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]
フランス北西部の軍港に入港したありふれた民間貨物船に、数百トンもの使用済み核燃料が密かに積まれ、しかもテロ予防策がまったく講じられていなかったことが、原子力産業の情報の不透明性を追及する環境保護団体グリーンピースによって暴露された。5月21日未明、シェルブールに投錨した貨物船「アトランティック・オスプレイ」がそれ。英国の核燃施設セラフィールドから使用済み核燃料を運び、仏原子力大手アレバのラ・アーグ工場で再処理後、南仏カダラッシュでプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料に加工されることになっていた。セラフィールドは自社の再処理能力では間に合わず、アレバに一部を肩代わりしてもらったのが真相らしい。アレバは「輸送手段は国際安全輸送規則INFコード2に従っており、十分に安全」というが、世界一交通量の多い英仏海峡を横断しなければならない。何よりもプ ………
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