2008年7月号 連載 [industryの極意 第3回]
クルマは耐久消費財でありながら、活動の場所が人目につく屋外という特徴がある。ゆえにユーザーの購買動機の一番目にスタイルが来るのはうなずける。ボディーカラーにこだわるのもまた当然であろう。何しろファションだからである。トヨタのクラウン、コロナ、マークⅡ、カローラなど1950年代から50余年もの長い間、会社の経営を支えてきた基幹車種がモデルチェンジする際、スタイルの変わり方は常に保守的であった。「変わり方の少なさ」より「変わりすぎ」による客の離反の方が怖いのである。71年2月に発売された4代目クラウンは「スピンドルシェイプ」という当時としては未来型モダンデザインであったが、従来モデルと全く継続性がなく、発売直後から市場の強い抵抗を受けた。一代とばして更に4年後のモデルまで待つというユーザーも出たために、通常4年間のモデルライフを6カ月間短縮して次の5代目 ………
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