天変地異のあと、国家に深い亀裂。治安第一でグリップを締めるが、一党独裁の軋みが聞こえ始めた。
2008年7月号 GLOBAL [チベット・新疆不穏]
命とは何とはかないものか。5月12日午後、四川省汶川(ウエンチユアン)を震源とするM8.0の大地震が発生、省全土で建物の崩壊や土砂崩れなどが起き、5月26日時点で死者6万2300人、行方不明2万人を数えた。この日はお釈迦さまが生まれた旧暦4月8日にあたり、香港は祝日だったが、国家的大難の日に暗転してしまった。中国は「一人っ子政策」で各家庭には子供1人だけ。瓦礫の下に埋もれた児童・生徒1万5千人の死は、両親の希望をすべて奪い去った。暗澹とした影が中国人の心を包み、インターネットには迷信が忍び寄る。北京五輪のマスコットである5体の「福娃」(幸せ人形)が実は禍々しい予兆だった、と言われだした。頭にツバメを載せたマスコットは凧で有名な山東省濰坊(ウェイファン)市の象徴だが、1カ月前に同市で列車事故が発生、200人以上が死んだ。頭がチベットカモシカのマスコットは3月のチベ ………
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