足利銀行の受け皿も、外資系金融機関に対する甘い処分も、渡辺大臣のご意向次第か。
2008年8月号 BUSINESS
住宅金融専門会社(住専)への不透明な公的資金投入や護送船団行政など大蔵省への厳しい批判をきっかけに、「財政と金融の分離」が行われてから早10年。新たな司令塔として1998年6月に発足した金融監督庁、現・金融庁(2000年7月~)は一つの節目を迎えたが、金融行政と組織運営のきしみや幹部人事の異変にも見舞われている。トップ2年目に入った佐藤隆文長官(73年に大蔵省入省)は、「ワンマン大臣」渡辺喜美金融担当相の顔色をうかがう姿が目立つ。金融界からは「政治家の利害に直結した裁量行政」と揶揄する声さえ出始めている。この7月の幹部人事では佐藤長官との不仲が囁かれたナンバー2の西原政雄監督局長(75年同)が証券取引等監視委員会事務局長に「降格」された。後任の監督局長には、金融監督や検査の経験が乏しいうえに、「自らはリスクを取らず、上司の言うことに従うだけのイエスマン」 ………
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