ロシアが嫌がらせする英石油資本の「トラの子」

スパイ容疑にパートナーとの死闘。裏に透けて見えるのは、メドべージェフ対セチンの権力抗争か。

2008年8月号 BUSINESS

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サハリンの二の舞いか――売上高30兆円と世界第2位の英国石油資本(メジャー)のブリティッシュ・ペトロリアム(BP)が、ロシア国内で設立した合弁会社TNK-BPが激震に見舞われている。この3月、ロシア連邦保安局(FSB)がTNK-BPのモスクワ事務所を捜索し、英国人職員2人をスパイ容疑で取り調べたのを皮切りに、パートナーを組んできたロシア投資コンソーシアム、アルファ・アクセス・レノバ(AAR)が、BPと泥沼の死闘を繰り広げているからだ。2年前、「サハリン2」プロジェクト騒動が、日本と西欧の石油業界を震撼させたばかり。英国とオランダにまたがる石油資本ロイヤル・ダッチ・シェルを筆頭に、日本の三井物産や三菱商事も出資するサハリン・エナジーが、ロシア当局から環境問題を口実に圧力を掛けられた挙げ句、ロシアの天然ガス独占企業体、ガスプロムに株式の過半の譲渡を余儀なくされた。

ガスプロムと基本合意

今 ………

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