アフリカに秋波を送るも、「産業のビタミン」不足がものづくり大国のアキレス腱に。
2008年8月号 BUSINESS
温暖化や食糧、エネルギーに話題が集中した洞爺湖サミット。開幕日を飾るテーマに選ばれたのはアフリカへの支援問題だった。日本政府は今、アフリカに急接近している。ターゲットは明確。豊富なレアメタル(希少金属)の未開発鉱床だ。一般にはなじみが薄いが、レアメタルにはタングステンや希土類(レアアース)、コバルトなど約30種類ある。いずれも電子材料や鋼材には不可欠な鉱石で、わずかな量で性能を向上させる性質をもつことから「産業のビタミン」とも称される。ところが世界的に産出地が偏っており、文字どおり「レア」な存在。BRICsなど新興国の経済発展に伴い、世界中で奪い合いになっている。今年5月に横浜市で開かれた第4回アフリカ開発会議(TICAD4)。福田康夫首相が政府開発援助(ODA)倍増という大盤振る舞いを表明する一方で、甘利明経済産業相は南アフリカやボツワナ、ナミビア、コ ………
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