吹き荒れる村八分で株価急落。ある日、基準も明示もなく、回覧が回って融資を干される怖さと倒錯。
2008年9月号 DEEP
「USA」「3ト物語」「横浜3L」「大阪3S」「JAPAN」といった“隠語”をご存じか。地価急落で揺れる不動産業界で噂される「危ない会社」のイニシャルだ。「反社会的勢力」とか「反市場勢力」――略して「反社」「反市」の烙印を押されている。例えば「USA」の「U」、アーバンコーポレイション。不動産流動化ビジネスで08年3月期590億円の経常利益をあげたが、8月13日、負債総額2558億円を抱えて東京地裁に民事再生法の適用を申請した。あっけない幕切れは、「反社」の地上げ屋を手先に使ったため黒字倒産に追い込まれた「S」のスルガコーポレーションに続くものだ。スルガの地上げした土地をアーバンが購入したことなどから、メーンだったみずほ銀行から「反社」と認定され、徹底した融資引き揚げにあい、資金繰りに行き詰まった。注意すべきはこの種のレッテル貼りが、証券市場に「悪材料」を流して売り込む ………
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