打つ手なしのGMに「破綻」の足音

6兆円の債務超過で広がる信用不安。米政府からも見放されそうな雲行き。

2008年9月号 BUSINESS

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「デトロイト――そこは、弱者が殺(や)られ、食われる街」。米ビッグスリーの街、デトロイト土産でよくあるTシャツの文句だ。Tシャツのロゴは、かつてゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが産業界のトップに君臨し、従業員に対して全米に誇る手厚い報酬・手当を施していたころの「置き土産」だ。ビッグスリーに勤めることは家族の誇りだった。しかし、今日、誰が負け犬になったかは明らかだ。「デトロイトで最も経営破綻に近いのはクライスラーの次にGM」(ウォールストリート.ジャーナル)と、その消滅すら視野に入ってきている。8月1日に発表されたGMの4―6月期決算は、約155億ドル(約1兆7000億円)という巨額の当期赤字を計上。四半期ベースでは過去3番目に大きな赤字額で、4四半期連続の赤字だ。自動車事業の売上高は、前年同期比18%減の377億ドル(約4兆1357億円)で、一株当たり利益 ………

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