データ分析を土台に「やればできる」
2008年10月号 連載 [経営者のひきだし 第30回]
「やってみせ、言って聞かせて させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」連合艦隊司令長官・山本五十六元帥の言葉として、知られる。軍隊では、やるべきことをきちんとのみ込まないまま戦闘に入れば、自らばかりか、隊全員の命を失う危機を招く。だから、新兵たちには上司が自らやってみせ、その意味を説き聞かせ、自ら体験させてみることだ、と説く。軍隊と企業経営は、相違点が多い。だが、「人の教育こそが基本」という点は、共通だ。だからだろう、経営者には、研修好きが多い。だが、山本五十六流にまで踏み込む例は、稀だ。そこまでの教育を、経営の土台に置いている経営者が、この人だ。芦田昭充さん。世界最多の船舶を保有し、収益もトップ級の商船三井の社長。「会社の財産は人」が口癖だ。若いころ、よく上司に鍛えられた。しんどかったが、振り返れば「いろいろなことを、叩き込んでもらっ ………
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