2008年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
塩野義製薬が米国の中堅製薬企業、サイエル・ファーマの買収に動き出した。サイエルは主に導入品の販売を手がけている。TOBにより総額約14億ドルを投ずる計画だ。これまで塩野義はむしろ欧米外資の買収攻勢に晒されてきた側だが、最近になって新薬開発パイプラインが充実し、攻めに転じた。国際展開できる自社創薬品のトップバッターと目されるのが抗肥満薬として開発中のS-2367だ。早ければ2012年にも米国で発売できそうだ。今回のM&Aは、米国での自社製品販売による利益の最大化が狙いだ。塩野義がこれまでに創製した医薬品の稼ぎ頭は、英国のアストラゼネカに世界での販売権をライセンス(委託)した高脂血症薬クレストール。同薬のロイヤルティー収入は年間600億円前後に上るが、特許期間が終われば即ゼロになる。そこにライセンスビジネスの危うさがある。今年4月に塩野元三・前社長(現会長)か ………
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