官邸「情報力強化」の切り札

2008年11月号 連載 [CHALLENGER]

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麻生内閣の発足に伴い、官僚の最高位、内閣官房副長官に、漆間巌・前警察庁長官(63)が就任した。警察官僚出身としては田中、三木両内閣時代の川島広守氏以来、実に32年ぶりの抜擢である。現在、官邸に陣取る副長官は、国会議員(政務担当)2人と中央官庁のトップ経験者(事務担当)1人。事務担当の副長官は事務次官会議を仕切り、官邸の「黒衣」として省庁間政策調整、内外の情報収集、政権の危機管理の重責を担う。警察官の家庭に生まれた漆間氏は日比谷高校、東大法学部卒業後、1969年に警察庁入庁。奈良、愛知、大阪の各警察本部長、警視庁副総監、警察庁警備局長などを歴任し、2004年に長官になった。長官在任中には北朝鮮による日本人拉致事件を指揮し、新たな拉致被害者を認定するなどの実績を上げた。小泉、安倍両内閣に重用され、任期が異例の丸3年に延び、昨年8月に勇退した。漆間氏は、警察 ………

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