2008年11月号 連載 [industryの極意 第7回]
自動車発展の歴史において1910~30年に、オートバイの延長線上にあるような超小型車が出現した。サイクルカー、キャビンスクーター、マイクロカーなどと呼ばれていたが、すぐに大量生産方式の本格的な自動車が取って代わり、衰退していった。第2次世界大戦後、ドイツ、イタリア、日本など主として敗戦国が、航空産業の余剰部品、材料、技術などを民需に転換して大衆向けの軽車両の製作を始め、超小型車が新たに見直された。日本では小さいエンジンを持つ超小型車を「軽自動車」とし、法令上はっきりした地位を与えた。49年の運輸省令で規格が設けられて以来、この軽自動車は世界にあまり例のない特異な発展を遂げることになる。当初は長さ2.8×幅1×高さ2㍍以下の車両規格から出発し、その後矢継ぎ早に改定を繰り返した。現在では長さ3.4×幅1.48×高さ2㍍となり、エンジンは150㏄、300㏄、360㏄、550㏄と変 ………
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