リーマン破綻の誤算で、ついに巨額の資本注入。膨らむ負担に財政保守派は不満募らす。
2008年11月号 BUSINESS
「緊急経済安定化法は、金融機関に資本を注入する権限を財務省に与えている」。10月8日、ホワイトハウスの隣の米財務省の会見場。巨漢のハンク・ポールソン長官は、記者団を睥睨して大見得を切った。その5日後の13日、財務長官はバンク・オブ・アメリカ(BOA)など大手金融機関6社トップと会談、資本注入計画を説明した。議会が承認した不良資産買い取り資金の7千億ドルのうち2500億ドルをシティ、JPモルガン、BOA、ウェルズ・ファーゴ、メロン、ステートストリートの6行と、投資銀行から銀行持ち株会社に転換したゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、メリルリンチ(BOA傘下)の3社に資本注入するというもの。実は9月中旬から、プリンストン大学教授ポール・クルーグマンら一部エコノミストや、民主党のチャック・シューマー上院議員(ニューヨーク州選出)らが提唱していた救済策である。し ………
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