“お化粧”決算の裏にとんだ深手。孫社長に残された「起死回生」策は、国家のタブーに触れるのでは?
2008年12月号 DEEP
11月12日、その情報に霞が関は戦慄した。この日の東京証券取引所では、ソフトバンク株がストップ高(前日比200円高)の1445円に上昇、108万株の買い注文を残して比例配分された。奇跡の挽回――約2週間前の10月28日には636円と年初の3分の1、“倒産係数”と言われるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)で900台と、ほとんど「死に体」だったのがウソのようだ。だが、霞が関を愕然とさせたのは、そんな理由ではない。移動体通信のソフトバンクモバイルを持て余した孫正義社長が、投資銀行関係者を通じて、中国電信(チャイナ・テレコム)に出資か売却を打診した、という。中国電信? 唐突になぜそんな名が飛び出すのか。伏線がある。10月29日、孫社長は予定を1週間繰り上げて9月中間決算の説明会を開いた。「一部の雑誌ではソフトバンクのキャッシュフロー(CF)が問題かのように書いているが」と、わざ ………
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