2008年12月号 連載 [メディアの急所]
朝刊1面のコラムは各紙を代表する名文家の腕の見せどころだ。朝日の「天声人語」しかり、読売の「編集手帳」しかり。「産経抄」は2004年12月まで35年間、石井英夫論説委員がひとりで書き続けた。毎日の「余録」といえば、諏訪正人氏の名前が浮かぶ。石井氏には及ばないが、1979年から02年まで23年間担当し、90年には日本記者クラブ賞を受賞した。前任者が偉大だと後輩は苦労する。諏訪氏のあとは同じく学芸部長経験者が引き継いだが、わずか1年で大学教授に転出した。その次がやはり学芸部長経験者の柳川時夫論説室特別編集委員。東大法学部卒の現在59歳。後任に指名されて5年。最近は評判も上々である。ほどほどの薀蓄と軽妙洒脱な文章。おしつけがましさがないところがまたいいのだとか。このあたりの加減がなかなか難しい。最後の三文字を空白にするのが「諏訪流」なら、「柳川流」は一文字の空白も ………
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