財務省もFRBもゴールドマンの「植民地」。99年の上場で、「国への奉仕」が貪欲な利己主義に変質した。
2008年12月号 BUSINESS [ポールソンの大罪]
「なぜ、リーマン・ブラザーズが破綻となり、AIGは救済されたのだろう……あっち(救済を受けた)側だったら本当に良かったのに」悔しさがこみあげてきたのか、証言席の大男は言葉に詰まる。長い沈黙を経て、捨てぜりふを吐いた。「墓場に行くその日まで、私は(なぜ救済されなかったかの理由を)問い続けるだろう」米下院で金融危機問題を調べている政府改革・監視委員会は10月5日朝、連邦破産法11条を申請した証券大手リーマン・ブラザーズのリチャード・ファルド前会長兼最高経営責任者(CEO)を呼んだ。マスコミも見守る公聴会だけに、「ゴリラ」と呼ばれ、好戦的な性格で知られるファルド前会長は訥々と話した。だが、壇上の議員を時々睨みつける。喉もと出かかっていたのは恨み節だったに違いない。ライバルだったゴールドマン・サックスと、その会長兼CEOだったヘンリー・ポールソン財務長官が、リ ………
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