2008年12月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
チベットの指導者ダライ・ラマ14世が11月4日、北九州市内での講演で「チベットは中国とインドという世界の総人口の3分の1を占める両超大国の間に位置しており、緩衝地域としてアジアの平和に大きな影響力を行使しうる」と述べ、地政学的な重要性を強調した。翌5日の福岡市内での講演では「紛争解決には相手の立場を思いやった対話が必要だが、中国にはそうした(思いやりの)気持ちがない」と中国を批判。チベットは自治権をめぐって中国と紛争中だが、アジアのもう一つの大国である日本の対中戦略についても、経済的利益一辺倒ではなく、相手の真意を見極める必要があると語った。また、地球環境問題では「アジアの大河はすべてチベットから流れ出している」としたうえで、「チベットの雪は北極の雪、南極の雪と同じ量であり、地球環境維持のための第3の極を形成している」と論じた。さらに「チベット ………
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