市場の「見えざる手」と破れぬ約束
2008年12月号 連載 [経営者のひきだし 第32回]
未曽有の国際金融の危機に、いまだ打開への燭光はみえない。1944年7月、米ニューハンプシャー州ブレトンウッズに44カ国が集まり、まとめた上げた国際通貨・金融の「ブレトンウッズ体制」。第2次大戦のさなかに、早くも戦後の復興の枠組みを固めた当時の政治、経済のリーダーたちの先見性に、いまさらながら敬意が湧く。その構想をまとめたのが、英国のケインズと米国のホワイトだ。「21世紀のケインズとホワイト」は、いつ現れるのだろうか。そんな思いを抱きながら、この金融危機に特別な感慨を持つ元銀行経営者がいる。大野木克信さん。旧日本長期信用銀行(現・新生銀行)の頭取だった。バブル崩壊後の経営再建を果たせず、98年の金融危機の中で辞任。直前の決算処理が商法違反(違法配当)などに問われ、逮捕・起訴されて一審、二審で有罪とされた。この7月18日、最高裁で逆転無罪の判決が出て、い ………
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