神谷 不二氏(国際政治学者)

リアリストの勇気

2009年4月号 連載 [ひとつの人生]

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神谷さんに初めてお会いしたのは1969年だった。コロンビア大学のハーバート・パッシン教授が日米議員交流プログラムのディレクターに就任し、一緒にやろうと私を誘ってくれたのがきっかけである。二人で東京を訪れた際、教授が関わっていた第2回下田会議の打ち合わせに同席することになった。下田会議とは、日米双方の各方面のリーダーたちを集め、計7回開催された民間会議である。パッシン教授は第1回会議で米国側エディター(取りまとめ役)を務めていたが、急に「今回は僕でなく、君がエディターをやりなさい」と言ってくれた。日本側エディターはすでに大学教授だった神谷さんと決まっていたが、私は当時28歳の一講師で、博士号もまだ取っていない身である。担当団体の事務局長は釣り合わないと反対したが、パッシン教授は「神谷さんはそういう人じゃないから大丈夫」と後押ししてくれた。はたして ………

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