2009年5月号 連載 [RELIGIOUS WORLD]
最近、我が国の宗教界で持て囃されているのが「社会貢献」というフレーズである。今年に入って、やたらと耳にするようになり、宗教関係者の間で一種の流行語になっている。仏教の専門紙「仏教タイムス」の4月2日号は「宗教の社会貢献を検討」の見出しで、庭野平和財団が3月末に行った社会貢献の学習会について大々的に報じた。また、これに先立ち、「神社新報」の3月2日号は、一面トップで「宗教の社会貢献はどうあるべきか」と題する記事を掲載し、国際宗教研究所が主催した公開シンポジウムの様子を詳細にレポートしている。宗教の社会貢献とは文字通り、宗教者や教団が社会全体の問題に取り組むことなどを指す。学校経営や伝統文化の保存、地球環境への取り組みなどさまざまな貢献があるが、多くの人がイメージするのは社会福祉に関連したものだろう。古くは飛鳥・奈良時代に始まった孤児や貧者の救 ………
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