タイ国内市場で9割近くを占める日本の自動車メーカー。世界不況に政情不安が追い討ちをかけ惨憺たる有り様。
2009年7月号 BUSINESS
日本の自動車メーカーが、アジア戦略の最重要拠点として位置づけてきたタイの自動車産業が散々な目にあっている。米国発金融危機の影響を受け、2008年後半から急速に生産・販売が落ち込んだ。タイでは06年のタクシン首相失脚後、首相が3度も代わる政変が相次いでおり、今年4月にはバンコクでタクシン派による大規模な反政府デモが発生し、多数の死傷者を出した。こうした政情不安も景気の低迷に追い討ちをかけている。タイの自動車産業は日本企業の独壇場である。タイは仏教国であり、イスラム教国と違って従業員の生産性を高めやすいため、日本企業が古くから進出してきた経緯がある。
08年のタイ国内自動車市場の販売シェアを見ると、1位はトヨタ自動車で42.6%(台数は約26万2千台)、2位はいすゞ自動車で21.7%(同約13万3千台)、3位はホンダで14.8%(約9万1千台)、4位は日産自動車で5.2%(約 ………
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