軍事常識欠く北朝鮮攻撃論

2009年7月号 連載 [「軍略」探照灯 第39回]

  • はてなブックマークに追加

5月26日、自由民主党国防部会の政策小委員会は、今年末に予定されている「防衛計画の大綱」の見直しに向けての提言を発表した。「防衛計画の大綱」は一応約10年先までの防衛政策の方針を定めるもので、それを基に5年間ごとの「中期防衛力整備計画」が作成されることになっている。現在の「大綱」「中期防」はともに2005年12月に作られたもので、「大綱」はなお5年余の寿命があるのだが「決定の5年後または情勢に重要な変化が生じた場合に……修正を行うための検討を行う」と定められているから、今年は見直しの時期になる。この提言にはいくつもの疑問があるが、まず唖然としたのは「策源地攻撃」が明記されていることだ。06年7月5日に北朝鮮が7発連続の弾道ミサイル実験を行った直後、当時の麻生太郎外相がフジテレビの「報道2001」で先制攻撃を唱えたこともあったし、同年10月9日に北朝鮮が初の核実験を ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。