オバマの圧力かわし面従腹背イスラエル

2国家共存を受け入れながら、入植拡大凍結には難色。極右を抱えるネタニヤフ連立政権の綱渡り。

2009年8月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

2月に連立を組んだベンヤミン・ネタニヤフ首相率いるイスラエル右派政権は、バラク・オバマ米大統領が「ヨルダン川西岸におけるユダヤ人入植地建設の停止」を求めた6月4日のカイロ演説の要請に応じることを拒否した。連立政権に加わった極右政党が、「米国の圧力に屈すれば、連立を離脱して政府を倒す」と脅しをかけているからだ。イスラエルが西岸に町や村を建設し始めたのは、1967年の第3次中東戦争で近隣アラブ諸国に勝利してからだ。ガザからは05年9月に撤退したが、西岸は占領が続く。西岸の公式名称は旧約聖書にある地名「ユダヤとサマリア」。その呼称は多くのユダヤ教宗派や右派の熱烈な信念を映したもので、アラブ側の攻勢から身を守る安全保障上の必要性に加えて、この土地がエホヴァの神によってユダヤ人に与えられ、ユダヤ人の土地であり続けなければならないと信じているのだ。この信念は ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。