2009年9月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
名古屋市の河村たかし市長が政権公約の目玉に掲げた全国初の「市民税の10%減税」が難航している。6月市議会に提出された減税条例案は継続審査になったが、市議会自民党は対案をまとめて条例案を葬る構えだ。河村市長の減税条例案は、税率を現在の6%から5.4%に引き下げるというもの。問題は市民税の減収235億円の財源手当てにとどまらない。この引き下げによって市民税率は国が定める標準税率を下回り、地方財政法の規定によって、名古屋市は国の許可なしに公共事業の起債ができなくなる。市は1千億円近い歳入を起債に頼っており、「減税も借金も認めれば、人気取りの減税が横行し、地方財政は破綻してしまう」と懸念する国は起債を容易に認めまい。ところが、河村市長は「市議会が条例案を否決すれば、市民に議会の解散請求を出すよう働きかけることもできる」と強気だ。衆院議員当時から常識にとら ………
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