またも頭越しに米朝交渉。「正雲」後継を控え北の混乱を恐れる韓国は、米国の「核の傘」の破れ目に。
2009年9月号 GLOBAL
8月4日、米国のビル・クリントン元大統領が平壌を電撃訪問し、金正日(キムジヨンイル)総書記と会見した。その結果、3月に中朝国境で拘束され、6月の「裁判」で12年の労働強化刑が下された米国籍の女性記者2人が帰国を果たした。北朝鮮は「裁判」の日程を事前に公表するなど、人道問題を米朝協議の糸口にしたいとの思惑が露骨だった。拘束された記者が所属するケーブルテレビの共同代表にアル・ゴア元副大統領が名を連ねていることから、ゴア訪問の可能性がささやかれてきたが、結果的にそれよりハイレベルな訪朝となった。バラク・オバマ大統領自らの決断だという。「私的な訪問」とされたが、クリントンは現国務長官の夫でもある。北朝鮮の要請に応じたものとはいえ、最大の懸案事項である核問題を進展させようという並々ならぬ意欲が、米朝双方から感じられる。
7月4日にミサイルを連射した北朝鮮 ………
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