2009年10月号 連載 [メディアの急所]
今年の新聞協会賞は異例ずくめだった。まず編集部門の「ニュース」部門に受賞作品がなかった。いわゆるスクープ記事が対象の同部門は協会賞の金看板。「該当なし」は20年ぶりという。今年は12社から14件の応募があり、7月24日の第1回選考分科会では、朝日新聞の「障害者団体向け郵便物割引制度悪用事件」、共同通信の「核持ち込み密約」、日経新聞の「キリン、サントリー経営統合」が候補に選ばれた。「どれが受賞してもおかしくない。高いレベルの接戦になる」(協会関係者)と評判だったが、8月3日の部門審査会で朝日の1本に絞り込まれた。日経の「キリン、サントリー」は「実現するかどうかわからない」という理由で退けられ、共同の「核持ち込み」は他紙に同様の報道があったことがマイナスになった。ここまで来れば朝日に決まりそうなものだが、8月20日の第2回選考分科会で日経と産経の編集局長が ………
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