ヤフー子会社のギャオは9月7日、動画配信サービスの無料サイト「GyaO！」と有料サイト「GyaO！ストア」の二つをオープンした。同社は今春まで、USEN傘下で無料動画配信を行ってきたが、広告収入が思うように伸びず、赤字から脱却できないままヤフーに事実上救済され、「ヤフー！動画」と統合する形で再スタートを切った。

配信するのはコンテンツホルダーから提供を受けた国内外の映画やドラマ、アニメ、音楽などの“合法動画”。サイトのトップページには『チャーリーとチョコレート工場』や『時をかける少女』といった人気映画、歌手・安室奈美恵のライブ映像などが並ぶ。オープン時点で、無料映像が約1300本、有料映像が約1400本用意されている。同社の川邊健太郎社長は「マスに人気があるコンテンツは広告モデルの無料サイトで配信していく。過去のアーカイブなど、多様なニーズに対しては有料サイトで応える」と語る。

同社には、フジテレビと日本テレビも出資することが決まっており、これまで動画サイトを敵視してきたテレビ局の取り込みにも成功している。“共存モデル”を提示することで、コンテンツホルダーや広告主といったビジネスパートナーとの関係を円滑にし、先行する「ニコニコ動画」や「ユーチューブ」といったサイトとの差別化を図る。果たして動画サイトの成功モデルになれるか。