カルザイの粉飾に国民が失望。タリバンの幹部殺害と要衝奪回でも、パキスタン軍は掃討に動かない。
2009年10月号 GLOBAL [汚れた大統領選挙]
かつてない危機が南・中央アジアを支配している。アフガニスタンで8月20日に実施されたタリバン政権崩壊後2度目の大統領選挙では不正が横行したうえ、イスラム原理主義勢力タリバンによる攻撃はエスカレートするばかりだ。パキスタン政府は、相次ぐ自爆テロ事件にもかかわらず、南北ワジリスタンを制圧するタリバン指導者を追跡しようともしない。拡大する一方の危機の影響は、より一層の経済・人的支援をこの地域に注入しようとする米国や北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国、そして日本にも及んでいる。
バラク・オバマ米大統領が今年1月の就任後、まっさきに外交政策の優先課題にあげたのが、パキスタンとアフガン問題であった。2万1千人以上の規模の増派を実施し、アフガン警察の再建および同国の復興の進捗を速めるため、数十億ドルを投じる方針を打ち出した。米国の主要同盟各国もこの生産的かつ ………
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