なぜか「西南雄藩」に残る自民党の力

2009年10月号 連載 [「軍略」探照灯 第42回]

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8月30日の衆議院選挙で民主党は308議席を獲得、自民党の119議席に大差をつけて圧勝した。その原因としては、①戦後日本が経済成長を続けて財政に余裕があったため、自民党は公共事業や補助金などの「利益の分配役」でありえたが、1990年代に入ると租税収入は低下し、赤字国債発行額が急増する財政危機の中、政府・与党は「不利益の分配役」にならざるをえず、支持の基盤を失った。②冷戦時代の自民党は、日本が西側陣営に属し、市場経済を発展させる、という単純明快な対外政策を取り続けえた。だが89年の冷戦終了、91年のソ連崩壊、中国の市場経済化の成功でその構図は崩れ、多極化する世界の中で自民党はイデオロギー的基盤を失った。③日本には徳川時代以来、役人に対する敬意があり、明治維新と第2次世界大戦の敗戦も「お上」への信頼は揺るがせなかったが、年金記録の杜撰極まる管理など相次ぐ失態や ………

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