2009年11月号 連載 [「軍略」探照灯 第43回]
民主党新政権が成立直後、次々に新政策や省庁への指示を打ち出した素早さはF1レースのスタート・ダッシュを思わせた。明治政府も維新後に急速な改革を行ったように思われているが「廃藩置県」は函館の五稜郭の陥落で戊辰戦争が終結してから2年後の明治4年だったし、「廃刀令」は明治9年に出た。マッカーサーは昭和20年8月30日に厚木飛行場に降り立ち、9月2日に戦艦ミズーリの艦上で降伏文書が調印されたが、GHQがその施政方針を示す抽象的な「民主化5要求」を日本に突きつけたのは10月11日だった。これらと比較すれば民主党政権の初期加速の鋭さは世界新記録かもしれない。各大臣は野党時代によく勉強し、練り上げた構想を今こそ実現しようと、一斉に猛然とスタートしたから、大臣同士ばかりか、同じ省の大臣と副大臣の発言にまで食い違いが生じるなど、接触したりコースを外れそうになる状況も見られた ………
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