2009年11月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第43回]
楽観的すぎるかもしれないが、日ロ関係が動き出しそうな気配を感じる。というよりは、いま動き出さなければ、未来永劫、日ロ関係は凍りついたままだろう。ロシア側にプーチン、日本側に鳩山由紀夫。日ロ関係を動かすためには、これ以上の両国指導者の組み合わせはない。「わずかの例外を別とすれば、ロシア国内でその名前がよく知られている日本人政治家はいない。しかし、鳩山一郎首相の名前は、ロ日関係の歴史に深く残されている」(元駐日ロシア大使アレクサンドル・パノフ著『雷のち晴れ』)日ロ関係が動くということは、すなわち北方領土問題が動くということである。領土問題があるから日ロ関係は他のどの大国との関係に比べても希薄だった。この問題を棚上げして、緊密化をはかるなどということはあり得ない。その意味で鳩山首相就任直後、ニューヨークで行われたメドベージェフ大統領との日ロ首 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。