ダム依存より総合的な治水対策を

2009年11月号 連載 [隗より始めよ]

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前原誠司国土交通相は八ツ場ダムや川辺川ダムの建設中止に続き、国が事業主体のダムについては改修実施中のものを除いて、今年度内、すべて工事を凍結すると表明した。ダム事業の大幅縮小を図る民主党の政策に関して、三点コメントしたい。まず、ダム建設には地元民の合意が前提という不文律があるが、実際には地元の意識集約自体なかなか難しい、という実態を知る必要がある。地元といっても、ダムによって水没する水源地域と下流地域では、意識が大きく異なることが多い。利水・治水の便益は専ら下流にあるが、下流でも、ダム建設によって漁業資源に支障が生じるとか、便益のため建設費の負担までしたくない、という反対意見もある。また、環境保護の立場からダムに否定的な人は、流域を問わず存在する。 さらに事態を複雑にしているのが、住居移転の苦痛を和らげ地域振興を図る観点から、道路建設、 ………

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