JR西の「怯え」が汚した事故調

福知山線事故の報告書改竄を画策。法令遵守も何のその、上から下まで同じ失敗を重ねる。

2009年11月号 DEEP

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JR東海道本線の尼崎駅ホーム。福知山線から電車が到着すると、多くの乗客が急ぎ足で、直後に入ってくる大阪・京都方面への新快速電車に乗り換える。この間ほんのわずか、不慣れなヨソモノはまごつくうちに取り残される。スピードアップと乗り換えの待ち時間をぎりぎりまで詰めた列車ダイヤは、魅力的な「商品」として競合の阪急電鉄から客を奪い、売り上げ増に貢献した。しかしそれは大事故への伏線だった。107人の死者を出した05年4月のJR福知山線脱線転覆事故で、JR西日本の山崎正夫社長ら幹部社員と国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現在の運輸安全委員会)の複数の委員が調査中に接触し、07年6月に事故調が公表した調査報告書案が事前にJR西側に手渡されていたことが明るみに出た。しかも「カーブの手前に速度抑制用のATS(自動列車停止装置)が設置されていれば、事故が防げる可能性があった」 ………

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