2009年12月号 連載 [政々堂々 第12回]
政権発足1カ月余りで、早くも「鳩山由紀夫政権の脱官僚依存はどこへいったのか」と思わせるような人事が相次いでいる。日本郵政の社長に斎藤次郎元大蔵事務次官を起用したのを手始めに、副社長に坂篤郎前内閣官房副長官補、さらに人事院人事官に江利川毅前厚生労働事務次官を起用した。斎藤は「ミスター大蔵省」と呼ばれ、かつての大蔵全盛時代を象徴する人物。坂も小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫の各政権を切り盛りし、自民党時代の霞が関を代表する立場にいた。財務省の天下りポストである東京金融取引所社長が前職の斎藤といい、日本損害保険協会副会長から転じた坂といい「渡り」の典型である。江利川に至っては、ことし7月まで次官だった。これでは、だれの目にも民主党が掲げた「天下り全廃」の看板が色あせて見える。衆院308議席のおごりが出たのか、世論をみくびったのか。斎藤人事発表後に実 ………
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