2009年12月号 連載 [隗より始めよ]
これまでのところ、新政権は農業政策に二つの朗報をもたらしたと言えるだろう。一つは農政が前政権より格段に政策の上位に位置づけられたこと。そして、政権交代により古いしがらみとの決別が可能になったことである。しがらみの代表が農協だ。農協は地域の現場にあって、農業の持続や再生に今も大切な役割を担っている。しかし農協の県連合会、中央会や全農などは、これまで流通や補助金の配分に絡み政治運動に関与、農家のためという名目で農協自身の存続を目的に動いてきた、いわば搾取団体といってよい存在だった。わずか1年ほど前、石破茂前農水相が生産調整(減反)の見直しに言及した際、農協は族議員を動かして反対の烽火(のろし)を上げ、石破氏は自民党内から十字砲火を浴びた。ところが政権交代で赤松広隆農水相が就任早々同様の発言をすると、当然のごとく扱われ、党内外はあっけないほど ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。