2009年12月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
日本銀行にはたまに異才が現れる土壌があるようだ。下関支店長の岩下直行氏が銀行システムの暗号化というIT分野の技術開発で経済産業省の「商務情報政策局長表彰」を受賞した。日銀マンが、こうしたIT関連の表彰を受けるのは初めてという。岩下支店長が開発したのは、銀行システムの暗号化関連技術。銀行のキャッシュカードが偽造されたり、暗証番号が簡単に解読されたりする犯罪が相次いだのを受けて、日銀のシステム情報局やシンクタンクである金融研究所に所属していたときに研究に携わったという。日銀自身が銀行システムのユーザーであり、システムの安全性を担保すべき立場でもあることから、使い勝手のよい暗号化技術と結びついたようだ。このような人材が、地域の金融・経済の情報収集にあたる支店長のポストに埋もれているところが、日銀の懐の深さか。 ………
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