「冷戦終結20年」繰り返す歴史

2009年12月号 連載 [「軍略」探照灯 第44回]

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20年前の1989年11月9日、東ドイツ政府は自国民の国外旅行と移住の自由を認める決定を公表し、西ドイツ国境の検問所を開放した。同政府は翌日、東西ベルリンをへだてていた高さ4メートル、全長160キロの壁を取り壊す作業を始めたが、双方のベルリン市民もそれに加わりお祭り騒ぎとなった。この壁の崩壊は第2次世界大戦後40余年続いた東西対立の終了を象徴した事件であり、12月2、3の両日地中海マルタ島での先代ブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連最高会議議長との首脳会談で冷戦の終結が宣言され、翌90年10月3日ドイツは統一を果たした。東独政府がこのような決定をしたのは、すでにポーランド、ハンガリーで非共産党政権が生まれ、チェコでも東独でも民主化を要求する大規模なデモが続く中、ハンガリーは89年5月からオーストリア国境の鉄条網の撤去を始め、東独国民がハンガリー経由でオーストリア、 ………

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