自滅する「菅国家戦略相」

恐ろしく無防備な「デフレ宣言」。予算編成やマクロ政策の司令塔になれない菅直人こそ内閣の致命傷。

2010年1月号 POLITICS [まさかの「小沢待望論」]

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「壮絶な戦い方を期待していた方は、私や国家戦略室の仕事ぶりが物足りなく感じているかも知れないが、見えない部分で『戦わずして勝つ』ことが進んでいる」副総理・国家戦略担当相の菅直人は12月18日に刊行した新著『大臣 増補版』(岩波新書)でこう気炎を上げた。あざとい事業仕分けで内閣支持率を稼いだ行政刷新会議に比べ、存在感の薄い戦略室。菅はこれに先立つ7日、経済産業相・直嶋正行を密かに呼び出した。「年内に是が非でも経済成長戦略を打ち出す。攻めに出たい。首相を議長に『成長戦略策定会議』を作るが、中身は経産省丸のみでもいい」戦略作りで早くから動いた直嶋も菅に「いいとこ取り」されてはたまらない。菅のお膝元の戦略室や内閣府もあ然とした。経産省のペーパーに表紙だけ「戦略室」とホチキスで留めろと命じられたようなものだ。確かに「戦わずして勝つ」ではある。仕分けの ………

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